街乗りから始めよう!ライディングを“ちょっとだけ”スケールアップする12ヶ月 (4) テーマを持って街を周遊する

「12ヶ月」と銘打ちながら、少し時間が空いてしまって申し訳ありません。3月の大雪でいろいろスケジュールが狂ってしまいました。今回は、街・都市の中を周遊するサイクリングの話しです。

少し古い話しで恐縮なのですが、2005年の3月、建築家の丹下健三さんが他界しました。そのとき、(当時は隆盛を誇っていた)mixiの自転車関連コミュニティの中で、自然発生的にというか、同時多発的に「自転車で丹下建築を巡らないか」という話しが出たのです。

そして実行された「ツール・ド・丹下健三」の様子を紹介したいと思います。

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スタートは新宿中央公園。そこから見上げるのはもちろん、東京都庁です。今の都庁は、建てられた頃「豪華すぎる」と批判されたのを覚えている人は多いと思います。本来であれば「東京都」が批判の対象になるべきだと思うのですが、丹下健三も少なからず批判の対象となっていて、当時「それはおかしいんじゃないか」と私は感じていました。というか、それが私と丹下作品の出会いだったのです。

そのあと、すぐ近くの新宿パークタワーを見上げながら走り(止まっていないので写真無し)、参宮橋方面へと進んで、小田急線参宮橋駅からほど近いブルガリア大使館へ。

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こじんまりとした建物です。古さは感じますが、清潔なイメージ。

そして代々木へ。

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もちろん、向かうは代々木体育館。天気が冴えないのが残念です。しかし、改めて見ると不思議な形をしています。時間帯によってはNHKのニュースの天カメに映っていたかも?

そして表参道方面へと向かいました。

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国連大学。広角28mmでも収まりきらない、そのサイズ。国連大学といっても、大学生がいるわけではないらしいです(笑)

そして国連大学の近くにもうひとつの丹下建築がありました。

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ハナエ・モリビル。9年前のこの日、こんな写真でも撮っておいて良かったです。当時は、ハナエ・モリビルがなくなるなんて思いもしませんでした。今はオーク表参道が建っています。オーク表参道は、大林組と丹下都市設計の共同設計です。

そして青山通りを赤坂方面に向かうと「草月会館」がありますが、この日は休館日で、写真も撮りませんでした。

そして、赤坂と言えばコレです。

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赤坂プリンスホテル新館。これも、解体されてしまいましたね。ある意味、丹下建築らしいというイメージを持っていました。

赤坂から新橋へ向かいます。

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リクルートGINZA8の向かいにある静岡新聞・静岡放送の東京オフィス。昔は仕事で週に何度もリクルートに来ていて、日常的に静岡新聞の建物を眺めていたのですが、当時は丹下作品だとは知りませんでした。

そして新橋から晴海通り走り、有明を目指します。

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有明の東京ファッションタウンです。正直なところ面白みのない建物。大塚家具のショールームと100円ショップが入っていました。持ち主は東京都がらみの3セクで、このツーリングのちょっと前に経営破綻。どことなく寂しさが漂うし、建物としての個性も感じません。「ここは多摩センター」と言われても通じてしまうくらいです。

さぁ、最終目的地はもちろんコレです。

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最終目的地のフジテレビ。やはり、とんでもなく突き抜けています。

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裏からのショット。自由の女神のあたりからフジテレビを眺めます。この建物ができたとき、多くの人が「あんぐり」としたのではないでしょうか。最初に見たときは赤坂のTBSや多摩センターのベネッセに続く「バカ建築」だと思ったのですが、実際に訪れるとそんなことどうでもよくて、あまりの自己主張の強さに見てる側が「こっ恥ずかし」さすら感じてしまいます。しかし、丹下事務所のトップページに置かれたスケッチを見てからフジテレビ本社ビルを眺めると、不思議とそこに夢を感じるのです。内部は割とフツーのオフィスビルですが。

フジテレビのスケッチは2014年4月現在<コチラ>でちらっと見ることができます

都庁からフジテレビまで、約25km。かなりの建物を見た回りましたが、これでもまだ見切れていません。東京カテドラルや東京大学、東京ドームホテルといった大物が残っています。これらを含めれば、都心部だけでも、それなりのスケールのサイクリングを楽しむことができるでしょう。行き帰りも含めれば、新宿起点で考えてもゆうに40km〜50kmくらいのコースになるのです。

一方で、同じ工程を電車で回ろうと思ったらここまで効率よくもできませんし、クルマでは駐車場探しがたいへんです。やはり、街を周遊するのに自転車がぴったりですね。

9年前のこのサイクリングから今日までの間に、ここに紹介したうち2つの建物が消えました。東京に限った話しではなく、街は常に変化しています。その風景を写真に収めながら自転車で回れば、10年、20年経ったとき、また違った感想を持つことでしょう。

(Gen SUGAI)